ETC割引の仕組みはおおまかに二種類
ひとつは従来からある深夜割引・休日割引やアクアライン割引といったETC割引。
バイクにETCを取り付けETCカードを挿入しておけば自動的に高速料金が計算され課金されます。
もうひとつは事前の申し込みが必要な割引でNEXCO各社のサイトに掲載されているツーリングプランや様々な特典付きの周遊プラン。
どれもNEXCO各社が販売している「商品」です。高速料金の割引プラス様々な付加サービスがついた格安プランも。
この後編ではさまざまなETC割引をバイク旅に生かす方法を考えてみたいと思います。
長距離はかなりの節約額に
普段はあまり意識していませんが深夜割引も休日割引もETC通常料金より30%割引です。
深夜割引(毎日午前0時~午前4時)
休日割引(土日祝日)
首都高速も深夜割引(20%割引)があります。
ただしNEXCOの高速道路とは連携していません。
首都高速のETC入り口を午前4時前に通過しても東名高速の東京料金所の通過が午前4時を過ぎていたら東名の走行料金はETC通常料金です。
深夜のサービスエリアが混雑
深夜割引は全車種が割引対象車種なのでSAは大型車で混雑します。
特大車にもなると名古屋から東京までのETC通常料金は19,800円。
でも深夜割引が適用される深夜0時以降に出口ETC料金所を通過すれば30%割引で13,860円となり6000円近く安くなります。
普通車やバイクの具体的な割引額は?
東名高速を沼津ICから東京料金所(約100km)までの走行した時の午前0時前後の料金比較です。
Ⓐ月曜日午後11時50分到着
普通車 3,130円
自動二輪 2,530円
Ⓑ火曜日午前 0時10分到着
普通車 2,190円
自動二輪 1,770円 (深夜割引適用)
Ⓐは東京IC料金所の通過が深夜0時前でETC通常料金です。
Ⓑは深夜0時を10分過ぎていて沼津IC⇒東京ICが深夜割引料金。結果、普通車は940円割引、自動二輪は760円割引です。
バイクでも帰路200キロ位の高速道路走行もあります。200キロだと割引額も沼津-東京間の倍になるのでガソリン代+夜食代を合わせたくらい節約できます。
休日割引は東京近郊は割引対象外
休日割引は地方部路線の割引です。
御殿場方面から来た場合、厚木ICまでが休日割引(30%割引)です。
でも厚木IC⇒東京料金所は休日割引対象外でETC通常料金です。
休日割引対象外でも深夜割引は適用されます。厚木IC⇒東京料金所到着時間で比較です。
Ⓐ土曜日午後11時50分到着
普通車 1,300円
自動二輪 1,070円
Ⓑ日曜日午前 0時10分到着
普通車 910円
自動二輪 750円
ⒷはⒶの20分後に東京ICに到着です。
(高速道路料金検索の時間設定は10分間隔)
普通車は390円割引、自動二輪は320円割引になりました。
SAやPAでわざわざ長時間待機するほどの割引額ではありませんね。
少しややこしくなりますが第三京浜や横浜横須賀道路は休日割引も深夜割引も適用されない路線になっています。
バイク旅向けの周遊プランや二輪定率割引
二輪車定率割引や周遊できるツーリングプランはバイク旅には欠かせません。「ドラ割」や「速旅」の周遊プランもご紹介します。
各種のETC割引が適用される曜日やシーズンを整理してみます。
曜日により割引の適用が異なるのはちょっと面倒です。
曜日に関係なく使えるETC割引
・ETC深夜割
・ツーリングプラン(二輪車限定)
・各種特典付き周遊プラン
土日祝だけ割引になるETC割引
・ETC休日割
・二輪車定率割引
深夜割引や休日割引は季節に関係ありませんが、ツーリングプランは期間限定で4月頃~11月頃までです。
ドラ割の周遊プランや速旅やみち旅のプランは11月頃に終了するものもあれば来年4月まで販売予定のプランも。
例年、秋後半にはウインタープランが販売開始されます。
(普通車向きです)
ツーリングプランをいくつかご紹介
首都圏 東名・中央道コースミニ
都内や横浜市内のインターチェンジも乗り降り自由のエリアに入っている便利なツーリングプランです。
コースミニのエリア内のルートで比較です。
東京IC⇒御殿場IC----須走IC⇒河口湖IC出口
河口湖IC入口⇒高井戸IC出口の料金です。
平日 ETC通常料金 5,370円
土日休 ETC休日割引 4,200円
東名・中央道コースミニ 2,500円
このエリアには観光スポットが溢れてます。
ツーリングプランはエリア内乗り降り自由です。二日間有効なのでエリア内で一泊してツーリングしても良いし二日続けてエリア内に日帰りツーリングしても料金は二日間で2500円ぽっきり。
東北道・常磐道コースミニとコースワイド
ミニもワイドも首都圏側のエリアの境界が外環道の川口中央IC~三郷南ICと幅があり都内からもアクセスしやすい。
エリア北端はコースミニ(二日間)が東北道の宇都宮ICで常磐道が日立南太田ICまで。東北道と常磐道は圏央道と北関東道でつながっています。
コースワイド(三日間)になると東北道が福島飯坂ICまで、常磐道が相馬ICまで一挙にエリアが広がります。これだけ広いと観光地も多く何度も使いたくなるプランです。
川口中央IC⇒宇都宮ICの料金比較
ETC通常料金(片道) 2,770円
コースミニ(2日間) 2,500円
川口中央IC⇒福島飯坂ICの料金比較
ETC通常料金(片道) 5,310円
コースワイド(3日間) 5,100円
東北道と常磐道をつなぐ磐越道もエリア内です。(極端に言えば3日間に一周600キロメートルにもなる環状路を何周しても5100円)
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忙しい朝は高速に乗ってからプラン申し込みも
ツーリングは朝早く出発して高速道路の渋滞を避けたいですね。
前日の夜の帰宅が遅いと出発の朝もバタバタしてしまいます。
ツーリングプランの申し込みはICの出口料金所を通過する前なら間に合います。朝、プランに申しまなくてもサービスエリアで休憩しながらスマホで申し込みでもOKです。
あまり走ったことがない高速道路はSAやPAの場所や施設の内容もチェックしたいですね。
スマホでドラぷらのハイウェイウォーカーが使いやすい。(スマホでグーグルマップなら「SA」で検索すると表示されますが高速道路標示が見にくく使いづらい)
バックナンバーも見れてエリア内の観光情報やSA限定のグルメやお土産情報も。
紙のハイウェイウォーカーも高速道路のSAで無料で入手できます。
(第三京浜の保土ヶ谷PAや横浜横須賀道路の横須賀PAにも置いてあります)
二輪車定率割引でツーリング
この割引は割引率が37.5%と大幅。
(普通車のETC通常料金の半額です)
慣れたツーリングプランと違うのはエリアの設定はなく乗り降り自由ではないこと。距離の条件があり一走行(入り口ICから出口ICまで高速を降りない)が100kmを超えることです。
土日祝*に目的地まで長距離高速道路を使うツーリングに向いてます。
申し込み先はC-NEXCOのサイトからです。
*厳密には前日の金曜日の出発や日・祝日の翌日の平日に帰宅するような走行にも使えます。(後述)
東京練馬ICから新潟・上越ICまで自動二輪の料金比較です。
関越道・上信越道経由で高速道路走行距離は287km。
ETC通常料金 5,420円
休日割引 4,050円
ETC通常料金より1,370円安い(30%割引)
(練馬ICから東松山ICまではETC通常料金)
二輪車定率割引 3,390円
ETC通常料金より2,030円割安(37.5%割引)
練馬から上越までの287kmを一走行として申し込んでも良いし、中間地点の碓氷軽井沢ICで申し込み区間を下のように別々の走行にして申し込むことも出来ます。(両方とも100km超の走行です)
①練馬IC - 碓氷軽井沢IC 1,880円
②碓氷軽井沢IC - 上越IC 2,030円
①+② 3,910円
碓氷軽井沢ICで一度高速を降りて、昼食や観光をした後に碓氷軽井沢ICから上越ICに向でばそれぞれの走行が二輪車定率割引になります。
(高速料金合計としては2区間に分けると520円アップする)
二輪車定率割引の可否や料金を調べるにはW-NEXCOに専用の検索BOXがあります。(会員登録は不要)
複数のルートで表示や経由地も追加できる設定です。
一般道を挟んでも一走行となるルートも表示されます。(ただし、須走IC↔御殿場ICをまたぐルートをチェックしたら一走行にカウントされない表示も出てくるので注意)
申し込みはC-NEXCOの速旅で申し込みます。
次ページ以降は土日祝の二輪車定率割引でも平日から使える方法やバイク旅のスタイルによって使いやすいETC割引の例をあげています。