初めて購入する自動二輪だとしばらく乗ってみてからETC購入を考える人も多いのではないでしょうか。
もちろん高速道路を走ってツーリングするんだから最初からETCは必須という人も多いと思います。
一方、自動二輪初心者だと高速を利用する頻度やどのくらい遠くにツーリングに行けるかもわかりません。
すぐにETCを付けるのはちょっと考えてしまいます。
クルマなら購入時にディーラーオプションでETCを取り付けておいたり納車してからカー用品店で好きな機種を取り付けるドライバーが多いと思います。
今回はバイク用のETC車載器を購入するときに頭に入れておきたい損益分岐点やETCのメリットを確認してみました。
ETCの値段はいくらぐらい
バイク用のETC車載器はクルマ用よりも強度・耐候性が求められるので本体価格は若干高くなります。
スクーターだとシート下のトランクに穴あけ加工して配線したりするので工賃も高め。
結局、本体と工賃を合わせて3万円から4万円程度の支出になります。
クルマだとETC車載器と工賃合わせて2万5千円くらいから購入できます。
バイクと比べると種類も豊富でカーナビ連動や光ビーコンのついた高機能なものまであるので高級機種は工賃を含めて5万円以上のものもあります。
それでもクルマ支払総額に占めるETC車載器の価格の割合は数パーセント程度なのであまり高いとは感じません。
スクーターだと支払い総額は45万円から65万円くらいなのでETC車載器はちょっと負担になりそうです。
ETC車載器の損益分岐点
ETCで1年間走ったらどのくらい割引になるのか細かく計算しようとすると結構大変です。
平日朝夕割引は時間帯と回数によって割引になる仕組みで休日割は文字通り土日と休日。でも首都高や東京近郊の高速だとどちらも適用されません。
路線によってはETC料金が通常料金と変わらないエリアもあれば、ETCを付けないとかなり高額な通常料金の路線もあって計算が複雑です。
中央道の一部はETCは距離制料金、ETC以外は区間均一料金の混在です。
一方、ETC専用の割引の「ドラ割」のように東京近郊の料金所出発でエリア内は乗り降り自由な割引プランもあります。
多くの割引の仕組みがあるETC。それでもETC車載器の損益分岐点だけは簡単に計算できます。
ETC車載器本体と取り付け費用合計が3万3千円。少なくとも3年間使ETCを使ってバイクに乗ると想定します。
3年間で3万3千円のコストをペイするには、単純に毎年1万1千円分のETC割引です。
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ETCあり・ETCなしではこんなに違う料金所での利便性
ETCのないクルマで高速道路を走った時は、料金がETCに比べて高いことと料金所で一旦停止する不便さはありますが一般レーンが特別混むわけでもなくあまり不便とは感じません。
ところがETCのないバイクだと料金所での不便さを実感します。
現金・クレジットカード・ETCのそれぞれの出口料金所の通過手順がこれです。
現金支払いだと時間と手間がかかります。
道路料金は10円単位の支払いです。財布のなから硬貨を選ぶのも大変なので千円札を渡します。
お釣りは硬貨です。バイクにまたがったまま現金の受け渡しはちょっと落ち着きません。
一方、クレジットカードは現金に比べれば楽です。
高速道路の利用が年に数回程度でETCを付けないならクレジットカード利用がおすすめです。
(料金は通常料金で割引はありませんがクレジットカードにはポイントが付きます)
発行手数料・年会費無料のETCカードがつくお得なクレジットカートはいくつかあります。
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財布とは別に名刺入れのようなケースにクレジットカード(もしくはETCカード)を入れて使うと財布を取り出すこともなく便利です。
クレジットカードを入れたケースをグローブボックスか上着のポケットにしまっておきます。
料金所ではケースを取り出してカードと通行券を渡すだけ。受け取った領収書とカードはそのままケース入れて戻します。
これならグローブをしたまま落ち着いて料金支払いができます。
(ETCシステムでなく料金所でETCカードを手渡しで利用した場合は通常のクレジットカード扱いとなるのでETC割引はありません)
主な高速道路のETC割引とマイレージポイント
(料金はETC休日割引 軽自動車(二輪車)料金。2018年9月時点)
いろいろなETC割引料金
基本になるETC割引料金。NEXCO東日本のホームページからの抜粋です。(2018年9月現在)
(バイクと直接関係のない個所は省略してます)
平日朝夕割引
(対象日時) 祝日を除く月曜日から金曜日の朝6時~9時、夕方17時~20時。
(割引対象外道路) 東京近郊・大阪近郊の内側の料金所は適用されません。
対象外は東名高速だと厚木ICまで、中央道は八王子ICまで、関越道は東松山IC、東北道は加須ICまで適用されません。
(割引適用条件) 1か月の利用回数が5回以上の利用者です。
割引方法はポイント還元ですので、料金所で表示される料金は通常料金です。
利用の都度「ETCマイレージサービス」が付加され翌月20日に還元され、それ還元後に通行料金の支払いに充当できます。
(ETCを付けたらETCマイレージサービスの登録を忘れないように!)
通行料金最大100km相当分の約30%還元です。月に10回以上なら約50%還元です。
(平日朝夕割引まとめ)平日のツーリングが多い人や郊外への通勤・通学で高速を使うなら割引を使えます。
平日でしかも回数が多くないと割引がないので、週末だけのツーリングライダーは気にする必要はなさそう。
休日割引
(対象車種) 普通車・軽自動車(二輪車)に限定
(対象日時) 土曜日・日曜日・祝日(終日) (混雑緩和のため適用日時をずらす日程もあります)
(割引額) 30%割引 (料金所で割引となり割引料金が表示されます)
(割引対象外道路) 東京近郊・大阪近郊の内側の料金所は適用されません。(平日朝夕割引と同じ範囲です)
(休日割引まとめ)週末ツーリングライダーにとって有効な割引。
終日なので週末なら土曜日の0時から日曜日の24時の48時間割引時間があります。
東京近郊と大阪近郊から郊外に出なければ割引はありません。
深夜割引
(対象日時) 毎日0時~4時
(割引額) 30%割引
(割引対象外道路) 京葉道路、第三京浜道路、横浜新道、横浜横須賀道路(深夜割引まとめ)対象の時間帯はツーリングではあまり走行することがないので業務用という印象です。
アクアライン割引
対象車種 すべての車種
割引額 二輪車通常料金2,470円 ⇒ 640円 (片道で1,830円、往復で3,660円割引)
割引対象道路 東京アクアライン(浮島ICから木更津金田ICまで)
(アクアライン割引まとめ)
首都圏のETC利用者にとって最もETC割引率が高いのがこのアクアライン割引。
ETCでアクアラインを月1回往復すると通常料金と比較した場合、1年間の割引額合計は43,920円。
ドラ割
設定された地域限定の高速道路乗り降り自由のETC割引。期間とエリアが決まっていますが観光・ツーリングにぴったりのフリーパスです。
季節によってドラ割のプランが設定されるので見逃せません。
さらに二輪車についてはETC搭載の二輪車限定のプランがあります。「ツーリングプラン」です。
全国で13コースあります。関東近郊でも4コースあって連続する二日間もしくは三日間限定の定額乗り降り自由のプランです。
平日・週末の区別はありません。コースによってプランの終了時期が異なります。
出発ICに首都圏エリアのICが含まれているので最寄りの高速道路の入り口から割引になるります。
休日割引だと首都圏エリアは適用外ですが、から使い勝手が良いんです。
休日割引が使えない平日のETC利用でも同じ割引率なのでおすすめです。
区間内の路線の乗り降りが自由ですが、通常料金が片道3,000円以上かかる路線もあるのでETCで区間内を単純往復するだけでも通行料金が通常料金の半額以下になることもあるんです。
「ドラ割」の「フリープラン」や「ツーリングプラン」はコースも多くて、気になるツーリングプランもたくさんあります。
見逃せない「ドラ割」についてはこちらにまとめてみました。
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11月の終了前にコスパに秋のツーリング ETC周遊割引プランとツーリングプラン2018
ETC割引の「ドラ割」とは 東日本の道路会社、NEXCO東日本が提供する高速道路利用者向けサービスのことです。 高速道路乗り降り自由のETC周遊割引プランやサー ...
プランの詳細な内容についてはNEXCO東日本が運営するサイト「ドラぷら」をご覧ください。
ドラぷら
ETCマイレージサービス
ETCを付けたら申し込むのがETCマイレージサービス。平日朝夕割引は利用時の料金でなくてこのポイントが還元される割引です。
NEXCO東/中/西日本・宮城道路公社は10円ごとに1ポンと付きます。1万円の通行料金を支払っていれば1,000ポイントが付きます。
ポイントを通行料金還元に交換する場合は1,000ポイント(通行料金1万円分相当)の交換は500円。
5,000ポイントまで貯めると(通行料金5万円分相当)だと5,000円分に交換できます。その分をETCカード利用分の支払いに充当できます。
(注意)ポイントに有効期限があるため期限を過ぎる前にポイントを交換する必要があります。
ETC2.0割引
新しいETC2.0車載器を搭載した車両を対象にした環状道路の圏央道の機能を有効利用する割引。
(ETC2.0は通常の機能に加えて情報提供サービスが充実してます。首都圏全体で渋滞情報を把握できて最適ルートを選択できる機能もあります。
クルマに取り付けたナビシステムやスマホでも情報提供がうけれます。ナビでもスマホでもクルマなら車中で情報を見たりナビを操作できるので使い勝手が良さそうです)
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スマートインターチェンジの利便性も見逃せない
高速道路の料金所はほぼすべてETCシステムが導入されています。
少なくともNEXCO東/中/西日本の高速道路ではETCが利用できない料金所を探すのが難しいくらいです。
さらに毎年増えているのがETC専用のスマートインターチェンジ(SIC)です。
現金やクレジットカード払いの車両は通行できません。
下は東北自動車道佐野サービスエリア(SA)に接する一般道に設置されているSICの入り口表示です。
「ETC専用」と書かれてます。東京方面と福島方面のどちらにも行かれます。
SICは主要な高速道路のSAやPAに設置が進んでいてすでにクルマで利用した人も多いはずです。
SAやPAがない場所にもSICが設置されています。
下は常磐自動車道 三郷料金所の脇の一般道から水戸方面に合流するSIC。
首都高や外環道を走ることなく一般道から直接常磐道の本道(水戸方面のみ)に入れます。反対の水戸方面からは一般道への出口専用のSICになります。
ETCがない車両はSICを使うことはできません。。(トラックなど中型車以上だと利用できないSICもかなりある)
利用時間は注意が必要です。24時間利用できるSICもありますが場所によっては夜22朝~朝6時まで利用できません。
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料金所が多い路線はETCがないと大変
ETC割引がないとしても料金所が多すぎてETCが欲しい路線もあります。
横浜だと第三京浜や横浜新道、横浜横須賀道路ではETC割引がありません。
この三路線は横浜南部から横浜北部、川崎、目黒・世田谷方面に行くのに便利な路線です。
たとえば横浜市港北区にある家具で有名なIKEA港北店に行く場合を想定します。
横浜横須賀道路の別所ICから乗って横浜新道経由で第三京浜の港北ICで降ります。有料道路の距離は15キロくらい20分程度の走行ですが、途中に料金所が4か所あります。
ETCがなければ、別所料金所で通行券の受取りで一旦停止。残りの3か所(六川料金所、新保土谷料金所、港北料金所)では料金支払いのため一旦停止します。
片道4か所で一旦停止だから往復なら8か所と思いきや、実は9か所。
帰路は第三京浜の港北料金所で通行券を受け取り保土谷料金所で支払い、新保土谷料金所で支払い、六川料金所で通行券を受け取り別所料金所で支払い。走っては一旦停止の繰り返しです。
ETCなら一旦停止する料金所は一つもないので大違いですね。
ETCが設置されていない有料道路
NEXCOが運営する高速道路はほとんどの高速にETCが設置されていますが、他の事業体が運営する有料道路にはETCがない料金所が結構あります。
現金のみでクレジットカードも使えません。
関東でも神奈川・千葉・埼玉で10数か所あります。
伊豆半島の例です。神奈川から熱海に行くには真鶴有料道路、熱海ビーチラインが便利です。支払いは現金のみです。
下は熱海ビーチラインの料金所です。
軽自動車や二輪車は真鶴有料道路が片道150円、熱海ビーチラインが片道200円です。合わせて片道350円なので往復700円です。
現金払いを忘れていると料金所で停止してからあわてて財布を引っ張り出すなんてことにもなります。
(日常的に通行するなら割引の回数券があります)
上の二つの有料道路は急ぐ必要がなければ迂回して一般道だけでも熱海に行けます。
伊豆半島では伊豆中央道や伊豆スカイラインなども現金のみです。
以上、「バイクで高速道路 ETC購入の損益分岐点」でした。