昭和15年に架けられた万国橋。
赤レンガ倉庫や横浜ワールドポーターズがある新港埠頭と関内を隔てる運河にかかるコンクリート製の橋です。
みなとみらい線馬車道駅から近く、この橋を歩いて運河を渡っている人も多いはずですが、目立つ欄干もなく普通の道路のように見えるので橋台部分の見事な石積みは見過ごしてしまいます。
みなとみらい線馬車道駅から万国橋に歩いてみます。最初に左手に見えるのがレンガ色の横浜第二合同庁舎です。
改修を経ていますが元は大正15年(1926年)に建てたられた横浜生糸検査所です。当時の横浜港から日本の主要輸出品として生糸が船積みされていた歴史を物語っています。
正面入り口の上部には見慣れない紋章があります。菊の紋と蚕と桑の葉があしらわれていました。
この建物の北側の道路まで来ると、左側にランドマークタワーの雄壮です。タワーの下には帆船日本丸も小さく見えます。左右にはレンガ色の建物があり、新旧の横浜が凝縮されたような構図です。
もうすぐそこが万国橋です。橋を渡る前に今度は右側に目を移します。運河に屋形船乗り場と船溜まりがあります。横浜屋形船はまかぜです。
船溜まりのさらに右側に立つビルを見てみてると大きな建物全体がほぼ運河の上にあるように見えます。
近づいてみると確かに運河の上に建ってました。基礎になる太い柱が運河の海底に打ち込まれているんですね。
この位置から万国橋を見てみると橋台の部分の石積みが良く見えます。80年近く前に積み上げられた橋台です。
橋を渡って反対側から見渡します。コンクリートのアーチ型の橋で周囲の石積みともマッチして重量感があります。
この場所からみなとみらい地区を見てみます。ランドマークタワーが運河に映りこんでいます。多少は波があって海面が揺れていましたが、風もない潮止まりの時間を狙えば鏡面のような運河に鮮やかな逆さランドマークタワーが見えるかもしれません。
以上、横浜市中区の万国橋でした。