Part2ではJAFのバイクロードサービスの内容、救援内容や件数、そしてバイク保険+JAFのメリットなどをまとめました。
実は私もそうでしたが以前はJAFとバイク保険付帯のロードサービスは同じようなものという勘違いしていました。
クルマばかり乗っていた頃はJAFにお世話になるような事故や故障がなかったせいかも知れません。
バイクに戻って来てからロードサービスの必要性をあらためて実感です。
若年層の人がバイクやクルマで初めて保険契約する時は保険料もかなり高いレベルです。余裕資金が少ないとJAFの検討は後回しになりがちです。
バイク保険とJAFの仕組みの違いを改めて簡単に
任意保険のバイク保険は加入義務がある強制保険(自賠責保険)ではカバーできない賠償や損害を民間の保険会社がカバーするものです。
任意保険は毎年更新で過去1年無事故なら等級が上がり保険料は下がります。
バイク保険のロードサービスはバッテリー上がり対応サービスやガス欠時の燃料補給などがあって保険契約期間(1年間)で1回は無料です。
バイクで帰れないと帰宅費用あるいは宿泊費をカバーしてくれます。(保険会社の違いや賠償金額などの選択で総額の保険料の幅はかなりあります)
JAFの正式名称は(社)日本自動車連盟です。保険会社とは異なり会員本人にロードサービスを提供する一般社団法人です。買い物やサービスが割引になる様々な会員優待は結構使えます。
JAF以外にもロードサービス会社は数多くありすべて民間企業です。
すでに会員の人には当たり前の話ですが所有するクルマやバイク以外にレンタカーを借りている時や大型バイクでツーリング中でも原付バイクで買物中でもロードサービスが受けられます。
この点はバイク保険と全く違います。サービスに回数制限もありません。
(個人会員・法人会員の区別、対象にならない車両などはJAFのホームページでご確認ください)
JAFの年会費は定額で複数年の一括払いもできます。
入会金2千円で年会費が4千円。複数年なら少し安くなりたとえば3年分を一括で支払えば1万3千円です。
バイク保険に戻ります。インターネット申し込みの大手バイク保険会社同士を比較してみると無料のロードサービスに大きな差はありません。
大雑把に言えば保険料が同じくらいならロードサービスも似た条件になってます。
初めてバイクやクルマに乗る人だとロードサービスの説明を良く読まなかったり読んでも自分には関係ないと思ってしまうかもしれません。
年間の走行距離が少なくツーリングも近距離ならJAFに入らない人も多いと思います。それに毎年点検整備をしていれば頻繁に故障することはないでしょう。
ただし、壊れるのも倒れるのも突然なんです、バイクは。
峠道を下っていて落ち葉が積もる急カーブに遭遇した時はなぜか体が硬直します。
JAFのホームページには過去のロードサービス救援データ*1が公開されてます。バイクの救援の出動理由、過去3年の上位をまとめてみました。
*1 JAFの出動件数なので警察発表の件数とは異なります。
JAFの救援件数と理由
(2021年~23年の3年間合計)
高速道路上
理 由 | 件 数 | 比 率 |
1位 燃料切れ | 1,567 | 22.4% |
2位 タイヤパンク | 691 | 9.9% |
3位 事故 | 344 | 4.9% |
4位 発電機・充電回路 | 337 | 4.8% |
5位 過放電バッテリー | 278 | 4.0% |
6位 破損劣化バッテリー | 160 | 2.3% |
上記以外 | 3,377 | 48.3% |
合 計 | 6,996 | 100% |
(引用:JAFロードサービス救援データ2021年~2023年)
3年間で救援件数は7千件近くも。ダントツ1位が燃料切れの22.4%です。
次がタイヤのパンク/バーストの9.9%。
4位~6位は発電機やバッテリーで電気系統で足すと14%になります。
事故以外で燃料切れ、タイヤ、電気系統で46%を超えてます。
注目なのは「上記以外」が48.3%もあることです。
まとまった件数はないけど様々な故障が発生しているということです。7位以下でわかりやすいのはクラッチケーブル切断やキャブレター不調、他にヘッドライト・テールランプ切れなどです。
一般道路上
理 由 | 件 数 | 比 率 |
1位 過放電バッテリー | 51,269 | 21.0% |
2位 タイヤパンク | 34,323 | 14.0% |
3位 破損劣化バッテリー | 16,302 | 6.7% |
4位 事故 | 13,379 | 5.5% |
5位 キー閉じ込み | 13,268 | 5.4% |
6位 燃料切れ | 7,483 | 3.1% |
上記以外 | 136,024 | 55.6% |
合 計 | 244,474 | 100% |
一般道での救援回数は桁違いです。高速道路と合計するとJAFは一日平均230件近い出動です。
一般道ではスクーターのキー閉じ込みの件数が燃料切れの倍くらいにも。過放電と破損劣化バッテリーの電気系統が27.8%にもなってます。
電気系統とパンクの両方だと42%近くなんですね。
やはり7位以下には様々な故障があります。
(Part1に書きましたがJAFのバッテリー交換サービスはバイク用バッテリーは対応していません)
件数が多い燃料切れやバッテリー上がりはバイク保険のロードサービスでも契約期間中1回なら無料対応してもらえます。
簡単な修理でもバイク保険のロードサービスでは修理は出来ないんです。
自走できなければレッカーなので旅先から電車で帰宅です。
JAFに入会すればツーリング先での些細な故障は全部直る、なんてことはありません。重要保安部品はJAFでは扱えません。
ランプ切れの取り換えや立ちごけでズレたハンドル回りのクランプ類を元に戻す程度の作業なら30分位で終わりそうです。
故障や不調が直せなくても原因を特定できれば、次に搬送先のバイク修理店を探す時も症状と原因を正しく伝えられればレッカーもスムーズになります。
JAFアプリもいいですね。故障発生時にアプリを使ってJAFに連絡すると位置が正確に特定されメッセージも届きます。
ロングツーリングが多いライダーにもソロツーが多いライダーにも心強い。
JAFと提携する保険会社(自動車・二輪とも)が数多くあり保険会社のロードサービスではカバーされない範囲がカバーされたり、利用回数制限やレッカーの無料距離の延長、現地で交換するパーツ代の補償などかなり優遇されます。
提携保険会社ごとに多少条件が違いますが契約保険会社のロードサービスに連絡した時にJAF会員の旨伝えると適用されます。
不運にも事故の場合、やはり必要なのは保険会社からのアドバイスです。
警察への通報、保険会社への連絡は必須なのでレッカーの手配などもそのまま保険会社に依頼するのがスムーズですね。
(アクサダイレクトではバイクが不動になった時のレッカーの回数制限はありません)
駐車場では簡単に起こせても足場が悪い場所や傾斜地で転倒すると一人では起こせない状況になります。
バイク保険のロードサービスでは対応が難しいですがJAFなら救援を要請できます。
救援をJAFに依頼して結果的にレッカー移動になった場合、帰宅費用は
JAFでは補償できません。
でもバイク保険で帰宅費用あるいは宿泊費用をカバーできます。
バイク保険会社にはその時点で連絡を入れ費用の補償ができるのかどうか確認して指示に従いましょう。場所によってはタクシーを呼ばないと鉄道駅やバス停にも辿り着けません。
最後のPart3では正規販売店や大手のバイク販売チェーンが提供するロードサービスをご紹介します。
日頃クルマに乗る機会は少ないけどツーリングはもっぱらバイクというライダーならバイクを購入した店舗が提供するロードサービスもメリットがあります。