二つ折り革財布を作った時に苦労したのが革漉き作業でした。
革を漉いてヘリ返しするとコバが隠れてヘリが銀面(革の表面)になり上質感が出ます。
この画像は奥がヘリ返しをした財布のヘリです。
手前はコバ処理をしたキーケースのヘリです。
(コバ処理が下手なので余計に違いが出てます)
ただし革を漉くには革包丁の刃が鋭くないと上手くできません。
これまで使っていた革包丁は初心者用のキットに入っていたステンレス刃です。握り易く使い易いサイズなので革の裁断に使っています。
購入した時は切れ味も良く厚めの革なら漉く作業が出来そうな感じでした。が、刃先の構造から漉く作業には向いていない革包丁でした。
そこでクラフト社の革包丁、秀次を購入しました。
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クラフト社 レザークラフト用 革包丁(極上) 30mm巾 8668 新品価格 |
様々な革包丁が販売されていて1本1万円を超える高級品もあります。
いつかは使ってみたい気もしますが、初心者には宝の持ち腐れになりそうです。
価格的に手頃で口コミも良い秀次にしてみました。今回は刃先の幅は30mmです。幅のサイズは何種類かあります。
早速試しに漉いてみます。厚さ2mmくらいの革です。
秀次は購入したばかりで研いでいませんが床面にスーッと刃が入ります。少し斜め方向にスライドさせると薄く均一に漉けました。
一方、これまで使っていた革包丁は刃先が床面に刺さらず漉けません。
二つの革包丁の刃先は一見しただけでは違いがわかりませんが秀次は鋼でキットの方はステンレスです。
刃先の幅は秀次が30mmでキットの方は35mmです。
刃先を真横から見て比べてみると違いがわかります。
どちらも刃本体の厚さはほぼ同じです。
刃の先端が違いました。
本体と刃先部分の角度がわかるように黄色いラインを引いてみます。
画像よりも絵の方がわかり易いですね。刃先の断面です。
秀次の鋼の刃先はかなり鋭角です。
これだけ尖っていれば革の床面にすっと刃先が入るわけです。
秀次で漉いた革です。
もう少し薄くできますがここでヘリを折り返してみます。
薄く漉けているのでヘリを返して革を重ねても丸く膨らむこともなさそうです。
これならヘリを返した二枚の革を縫う場合でもきれいに縫えそうです。
ヘリを薄く一定に漉けずにヘリを返して縫った悪い例です。
黄色の丸の部分の糸は曲がってるしヘリに平行になってません。
ヘリが膨らんでいたりデコボコなので菱目打ちもまっすぐ打てなくなり縫い糸も曲がってしまいます。
今回購入したクラフト社の秀次(上)と初心者キットの革包丁(下)は取っ手の形状も違います。
秀次の取っ手の方が革漉きがしやすい気がします。
初心者キットの方は裁断には使い易いので今後はこの二本を使い分けて使います。
鋼の刃の秀次は研いで使うことになるので今回、砥石のセットも購入しました。1000番と8000番の砥石のセットです。
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砥石が動かないように滑り止めの工夫がされているので狭いテーブルの上でも使えそうです。
革包丁以外にもいろいろ研いでみて様々な刃先の研ぎについてまとめられればと思います。
以上、「革工芸⑪ クラフト社の革包丁でらくらく革漉き」でした。