革工芸⑨ 黒&赤 二つ折り財布 革漉きとヘリ返し

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ザークラフトを始めて3カ月。
週末の革工芸は新しい発見?ばかりです。

アウトドア用品との相性が良いし少しお洒落な小物も楽しいというのが最近のレザークラフトの印象です。

未熟でも簡単なアウトドア用の小物を作るとキャンプの楽しみも一層増す感じです。

回は黒と赤の革で二つ折り財布に挑戦です。

前回キーケースを製作した時は革のヘリ部分は切りっぱなしでコバ磨きの処理をしました。

二つ折り財布では革を漉いてヘリを返す処理をしてみます。
ヘリ返しとコバ磨きでヘリの見え方の違いはこんな感じです。

キーケースのヘリは使っているうちにキズや凹みが出てました。(柔らかい革でも上級者のコバ処理作品はもっときれいです)

一方、ヘリを返した財布はヘリも銀面なのでなめらかで上品です。
(使用する革の種類や小物によってコバ処理の方が合うものも)

今度こそは失敗せずに革小物を作ろうと思って始めてみたらやっぱり失敗があります。それでも良い財布が出来ました。(ほぼ自己満足)

い革も黒い革も以前にユザワヤで購入した革です。

以前に製作したキーケースです。同じ革です。


(実は黒の糸で縫い直してます)

紙の製作からやってみました。

二つ折り財布はこれまでで一番複雑な構造。
しかもコインポケットを二重のジャバラにしたりして自ら難易度を上げてしまってます。

(サイズや構造はプロの革工芸のサイトや動画を参考にしました。厚紙やカレンダーの裏紙を切り貼りして模型を作って事前に確認してます)

直線なら薄い型紙でも目打ちで線を引けますが、入り組んでいたり曲線は厚い型紙を使わないと銀面に線が引きづらい。

型紙の上には製作工程上の順番とか作業内容を書いてます。

面に線を引けたら裁断です。

細い部位や曲線が多い部位はカッターを使いました。(なんとなく革包丁の切れ味が悪くなってきたような感じが)

下の4枚の入り組んだ革はカード入れになります。
扇形の革はコインポケット本体です。

(予定ではカッターを使うのはここまででした)

インポケットから作ります。
仕切りを入れて硬貨とカードを別々に収納できる形にしました。
コイン・カード兼用ポケットですね。本体は黒い革でフタは赤い革です。

最初にフタです。床面のヘリの革を漉いてヘリを返します。

漉き作業を始めたら問題発生。(いつもの通り)

左側の革包丁で漉く予定だったのですが包丁の刃先が床面に刺さりません。

漉き作業は床面を薄くスライスする感じです。

革包丁は初心者用のレザークラフトキットに同封されていたもので新品の頃は漉くことが出来ました。

試しにカッターで漉いてみたらある程度漉けたのでそのまま進めました。
(ここで大変さに気付いていれば革包丁だけ新調してました)

ヘリを返して接着します。初心者なので角部分を平らにするのが難しい。膨らんだり革が余ったりします。

それでもなんとかフタができました。
上側が本体に接着する部分です。下側がフタの部分でヘリを返してます。


はコイン・カードポケットの本体です。
こちらもジャバラの両端はヘリを返すのでまず漉いてから革を折ってジャバラにします。

ジャバラになる部位に水分を含ませて折り曲げ重しをして数時間。

折り目が付きました。右側はポケットを二つに分ける仕切りの革です。

この仕切りの下端(コイン入れの底の部分)はU字型にしました。

水分を含ませてポンチのような丸棒に巻いて固定しておくとU字型になります。

底がV型でなくU字型だと指を入れやすく硬貨を楽に取り出せます。

この仕切りはジャバラの真ん中に接着して縫います。

仕切りを接着する前にばねホック(オス)の取り付け。
(仕切りの両端を接着してしまうと穴あけもホック打ちも難しい)


布本体の革の漉き作業です。
切れ味が悪い革包丁では丸いスリッカーの上に革を置いてもやはり漉けません。カッターで漉きます。

漉く範囲が広いと大変。
力の入れ具合で銀面まで切れてしまう。漉くと言うより少しづつ削る感じです。カッターは全くおススメできません。

カッターの刃は新品でも床面を漉いているとすぐに切れ味が悪くなります。結局、替え刃を二本使いました。

漉いた後の革の厚さです。
先端は1ミリ厚の革が銀面のみ(0.2ミリ程度)になってます。

薄く見えますがヘリ返し部分の厚さはバラバラです。


んとか漉き作業とヘリ返しを終えて必要なパーツがすべて揃いました。

本体は外側が黒革で内側に赤革、そして二枚の革の間に仕切りの革を挟むので長方形の革が3枚です。

黒革の長さは赤革よりも2センチくらい長くなってます。幅は黒革が赤革より8ミリくらい広くなってます。

ここで今日の作業は一旦終わりです。
革の荒断ちからここまでなんと丸一日もかかりました。

切れ味の良い革包丁を持っていれば漉く作業は5分の1くらいの時間で済んでしかもヘリ返しの仕上がりもきれいになったはずです。

包丁の大切さを実感しました。
ステンレススチールの刃ではなく研げる鉄の刃の革包丁ですね。

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カード入れを接着して菱目を打ちます。ポケットの右側を赤革に縫い付けます。

左側と下端は黒革と赤革を縫う時に一緒に縫います。

カード入れは難なく縫えましたが少しやっかいなのがコイン・カードポケットです。

ジャバラになってるのでジャバラをめくりながら菱目打ちです。

さきほどのカード入れの縫いとコイン・カードポケットの縫い糸が内部に露出してしまいます。

露出した糸は出し入れする紙幣に引っかかりそうなのでここだけ薄い革を接着しました。(このカバーは予定外でしたが紙幣がスムーズに入ります)

コインポケットのジャバラ部分の右側と本体を合わせて菱目を打ちます。

ここは革本体の黒革と赤革に加えてジャバラの革を縫うのでかなり厚くなってます。

ジャバラで菱目打ちが使えない位置は目打ちで穴を開けます。

菱目打ちを使えても打ち台になるゴム板を杉板の端に乗せて打ち込む細かい作業です。

3枚の革は全てヘリ返しで太くなってます。
ヘリが太いと菱目打ちの位置がヘリから内側に入るのでコインポケットのカード入れの幅が予定より2~3mm狭くなりました。

次ページはコイン・カードポケットのフタにばねホックを取り付けて全てのパーツを本体に取り付けます。

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